キミを侵略せよ!が打ち切りになってしまった理由を3つ考えてみた(週刊少年ジャンプ感想/2018年41号④)
キミを侵略せよ! が終わってしまった。
なんだかんだで毎週そこそこ楽しみに知る作品だったんだよなぁ。
キミを侵略せよ! は、特に最終2話の出来が神がかって良くて、元からそこそこ好きだったのが一気に滅茶苦茶好きになった。しかしその時には終わってしまっているという。残念。
結構悲しいのだけれど、色々考えた結果「キミを侵略せよ!」の敗因は以下の3つじゃないかなと思う。
- 画力が足りなかった
- アンケート上位に入りづらい作品だった
- 稲岡先生の得意な話が別ジャンルだった
1.画力が足りなかった
正直まずこの作品、画力が足りないのは結構大きな問題だったように思える。
絵がきれいじゃないし、ヒロインがパッと見て滅茶苦茶可愛いわけではない。もちろん相場さんを可愛いという人もいたのだけれど、そうでは無い人が多かっただろう。
正直見た目が可愛いヒロインは、見た目補正で人気が出る。初期の相場さんを「うざい」と言っていた人もいたけれど、そういう人にも見た目の力でゴリ押せる。その力がまず足りなかったように思う。
あとやっぱり、絵がきれいだととっつきやすいし、読んでみようと思える。特にカラー取れる最初の頃に一枚絵で読者を引き込むだけの力が足りなかったのは大きな敗因だろう。
2.アンケート上位に入りづらい作品だった
キミを侵略せよ! はつまらなくはないけど滅茶苦茶面白くはない話が多かった。
この作品は常に「面白いな」と思えるラインは超えているんだけど、「めっちゃ面白いな!」ってなるラインを越えている話は無かった。
いや、最後の2話は「めっちゃ面白いな!」ってなるんだけど、残念ながら打ち切り決まった後だったし。
ジャンプがアンケート式である以上、上位3位内に入る面白い話じゃないと生き残れない。
そのうえで、さっきも言った通り絵で引き込むことが出来なかったのと、「めっちゃ面白い話」でしっかりと票をとることが出来なかったことはかなり厳しかっただろう。
3.稲岡先生の得意な話が別ジャンルだった
この作品は「斉木楠生の災難」を目指した作品であったように思う。
主人公が異能力を持ち、その異能力を使いながら正体を隠匿するギャグコメディっていうのはすごく斉木楠生感ある。
でも、楠生ほどインパクトのあるキャラクターはいなかったし、ギャグのキレも楠生の方が上だった。
しかし逆に、最終話の展開は斉木楠生よりも良かったと思う。あの話数で積み重ねが感じられる主人公の変化を書けるというのは、まぎれもなく才能だろう。
だからこそ、そもそもとして稲岡先生はギャグをメインにして話を書くのではなく、「背筋をピンと!」のような青春ものを書いていく方がうまい話が書けるんじゃないだろうか。
勿論連載中の成長もあったのだろうけど、青春メインのギャグをちょっとにした作品の方が、稲岡先生は面白い作品を書けると思う。
かなり真面目に、稲岡先生の次回作はそっち方面を期待していきたいと思っている。
まとめ
以上が私が考える打ち切りの理由なのだけれど、打ち切りされたとはいえ最終話2話の輝きは素晴らしいものがあった。
そして、別にそれまでの間のギャグも私は普通に楽しめてた。つまらないな、と思う話は1話もなかった。そこは地味に凄いと思う。終わると言われると納得はするけど、結構残念な気持ちになる作品だった。
とにかく、稲岡先生、お疲れさまでした。
あ、ちなみに最終2話に感動して単行本は1巻買ったぞ! 2・3巻も買う予定。