僕たちは勉強ができない87話、文乃と成幸は結婚すればいいと思う(週刊少年ジャンプ感想/2018年50号)
ぼくたちは勉強ができない
今週のぼく勉を読んで、とりあえずこれだけは言わせてもらいたい。
おまえら結婚しろよ!
このページ、完全に新婚後の一幕である。ちゃんと割烹着を着て形から入るあたりさすがとしか言いようがない。
割烹着姿で「幸せなお嫁さんになるのも夢だったから!!」と叫ぶ文乃さん。
もうそのまま成幸君のお嫁さんになるといいと思うよ、という感想しか出てこない。
でも、文乃はお嫁さんになる夢も天文学の夢もどちらも才能がないという悲しい状況になっている。
天文学の夢は父親に価値はないと否定された。
料理も手に絆創膏貼りまくるほど頑張ったのに、完成したのは食べ物じゃない「ナニカ」。
だけど、そんな文乃に対して「俺は好きだな、このスクランブルエッグ」と笑いながら言える成幸のなんと素敵なことか。
成幸はちゃんと文乃が頑張ったことに気が付いて、その頑張りを認めている。かつて「できないこと」に苦しんだ彼らしい優しさだ。これは文乃でなくても惚れる。
だけど、この成幸のやさしさに逆にいたたまれなくなってしまうのが文乃らしい。
この表情とか、「私、成幸君にしてもらってばっかりで何も返せてない」と言っているように見える。
その後の彼女のテンパりは、多分家事の才能の無さだけでなくこの気持ちも原因だったんだろう。
「たくさんのことをしてもらってるのに何も返せてない」という状況に焦って、何かしようと頑張って、でも家事の才能のなさも相まってたくさんミスをしてしまう。
文乃は見事にこのループに陥ってしまう。
そんな彼女は、ついにテンパりが最高潮に達したのか「お背中くらい流さなきゃ!」という狂気の発想に陥る。
どうしてこうなった。
でも、成幸の水着をしっかりと用意してる辺り抜け目ない(?)し、「かゆい所はありませんかー旦那様」「あ…ではちょこっと右を…」とかなんか新婚生活の一幕みたいになってるし、結果として悪くなかったのか?
個人的にこのお風呂展開は、ぱっと見シャツ一枚に見せることで成幸をドキドキさせつつ、そのうえで水着で完全防御するという発想が天才だったなと思いました。
とか思いつつ次のページをめくると、突如としてシリアス展開に。
やっぱり文乃と零待の溝は大きいんだろう。
「今更話すようなことなんて何もない。何も…」と言いながら、文乃はすごく悲しそうな顔をしている。
色々なところで父親の思い出が蘇っているんだし、「何もない」訳がない。
だけど、期待したら三者面談の時のように裏切られてしまう。それが怖い。そんな表情だ。
それだけじゃなく、「…そんなことより、今は…」の後には「こんなにたくさんのことをしてくれるあなたに、何か返したい」という思いが続くのだろう。
本当に、その思いと父親への思いで彼女の中はぐっちゃぐっちゃになってるんだろう。
そんな文乃に対して、成幸はラストで「今からデートしないか」と誘う。
成幸君の恋愛能力成長に感慨しかないのは置いておいて、この展開は……いいね。
二人で夜空を見上げながら話すのは、今の文乃にとって救いとなるだろう。なんならそのまま手を繋いでしまえ!
というわけで、来週のデート回すごく楽しみです。
※本文中に登場する画像はすべて「ぼくたちは勉強ができない/筒井大志/週刊少年ジャンプ」より引用しております