雨夏ユカリの趣味ノート

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ぼくたちは勉強ができない88話・成幸のプロポーズと、文乃の決意と成長と(週刊少年ジャンプ感想/2018年51号)

僕たちは勉強ができない

 

 今週のぼく勉は、成幸の告白からのプロポーズの流れが本当に最高でしたね…。

 

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これ、完全にプロポーズやんけ……。もう君たちは結婚すれば良いと思うよ……。いやむしろもう結婚してた気がしてきた

 

 

しっかし、とにかく成幸君がイケメンだった。成幸の行動が的確に文乃を救っていて、もう彼は文乃を救うために生まれてきたんじゃないかと思うくらい。

 

 

まず、最初の星の名前をあげていくシーン。

 

これが凄い。文乃の一番好きなことに対して「なんかちょっと興味出てきてさ」って言って勉強してるところが凄い。

 

文乃は星が好きだけど、彼女の周りにはその話題を共有できる人が「もういない」。その枠に成幸がすっと入ってきてくれたのは、文乃にとってすごく嬉しかったんだろう。

 

もう水を得た魚のように大興奮で語り出す文乃さん。すごく幸せそう。

 

それだけじゃなくて、先生にも父親にも否定された「星が好き」という想いを、「実際に勉強する」という行動までして認めてもらえたのは文乃にとって救いでしかない。

 

しかも、成幸は「俺が星のこと興味持ったのは、あの時お前が心から楽しそうに話してくれたからだよ」と続けて語る。これ、成幸はただ本心を話しているつもりだろうけど、文乃にとっては心に響く言葉なんだよなあ。

 

前にも何度か言っているけれど、文乃は「本心を理性で抑える」キャラクターだ。その裏には「本心を語っても否定されてきた過去」がある。だけど、成幸のこの台詞は「文乃が本心を語った瞬間」を肯定するものだ。

 

blue-whale.hatenadiary.jp

 

まあその後の告白の方が文乃的には衝撃すぎて、あんまり記憶に残ってないかもしれないけど。

 

それでも、そうやって成幸は沢山の人に否定されていた「文乃の本心」を、たった一人認めて肯定した。「本心を認めてくれる人がいる」という現実は、間違いなく文乃を救った。そのうえで、あのプロポーズですよ

 

もうね……メインヒロインルートのクライマックスかよと言いたくなるような展開。今までの積み重ねを全て詰め込んだ最高のプロポーズだった。

 

そして、そのプロポーズを受けて前に進み出す文乃。「本心を認めてくれる人」である成幸に背中を押され、恐怖を抑えながら父親に本心を語る

 

今まで「どうせ認めてくれない」と言い訳しながら避けていた「本心を語る」シーンは凄く熱い。これは完全に少年漫画。

 

人は誰だって本心を否定されるのは怖い。だからこそ、多くの人は本心を「言い訳して」語らない。

 

だけど、文乃はその一歩を踏み出した。彼女は逃げずに戦った。

 

 

それに対して、父親もまた自分の本心を語る。「才能が生かされない」ことへの怯え、母親の死への虚しさ。

 

彼にとって文乃の夢を認めることは、「才能が生かされない」ことを認めるということ。そしてそれは、彼にとっては「静流の死」を認めることに繋がるのだろう。

 

「静流の死」を受け入れられない彼は、無意識に「静流の死」と「才能が生かされない」ことを結びつけ、それらを受け入れられなくなってしまっていた。

 

だから彼は、どうしても文乃の夢を認めることが出来なかった。

 

 

そして、二人が本心をぶつけ合った後。文乃が取り出したのは「母の本心」。あのパスワードがかかっていた「☆」のフォルダ。ここに、静流の言葉が詰まっているのだろう。

 

はたして、静流の言葉は零待の止まってしまった時を動かすことができるのか。文乃の行動が報われる時は来るのか。本当に来週が楽しみだ。

 

 

それでもとにかく、本当に今週は神回だった。今まで積み重ねた集大成、ほんとメインヒロインルートのクライマックス感しかない

 

成幸はコガラシみたいな超人じゃない。いやまあ、あそこまで人のために何かをできるのは充分超人だと思うけれど、それでもすべてを解決できるヒーローじゃない。

 

でも、「この件に関して俺は何もしてやれない」という状況でも、それでも彼は文乃を救った。彼女に一歩踏み出させた。

 

やっぱり成幸は主人公なんだと思ったし、その想いに答える文乃もまた主人公だった。本当に「最愛の星に」編は読んでいて幸せだった(まだ終わってないけど)。

 

おそらく来週で最後になる「最愛の星に」編。今からもう楽しみで仕方ないし、筒井先生には感謝の思いしかない。

 

※本記事内で使用している画像は『ぼくたちは勉強ができない/筒井大志/週刊少年ジャンプ』より引用しています