雨夏ユカリの趣味ノート

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HUNTER×HUNTER385話、ツェリードニヒが死ななかった理由を本気で考えてみた(週刊少年ジャンプ感想/2018年47号②)

ハンターハンター

 

!?

 

テータちゃんだけでなく読者も「バカ…な」となる一話。ツェリードニヒなんで死んでないんだ?

 

本気で意味が分からなかったので何度も読み返して考察してみたのだけれど、それでもわからない。

 

私は「守護霊獣の能力でテータが幻覚を見ていた」可能性が今のところ一番高いかなと思っているのだけれど、それでもいくつも不可解な点が残る。

 

とりあえず、その可能性に思い至った根拠について話していきたい。

 

まず、守護霊獣はテータの反逆の意思に気づいていたような描写がある。にもかかわらず生かしているのは、確かに男のハンター(名前出てこない)の言う通り「手駒にする」ためなのだろう。だが、反逆者から王子を守るため、段階的に、はじめは「殺意」、次に「害意」、最後は「敵意」を奪うというようなシステムになっている可能性は十分考えられる。そうすれば、反逆者を生かしておくことのリスクを十分に軽減できるからだ。

 

そして、私はそのプロテクトによって、1段階目(頬に傷をつける)では殺意を抱いた際に自動的に幻覚を見せて王子を守るようにしていたのではないかと考えた。一応その根拠として次の二つがあげられる。

 

1つ目は、テータが王子を撃ち殺すシーンとその後(おそらくセンリツの能力によって)綺麗な風景を見るシーンでは、テータの顔に絆創膏が貼られていないこと。ほかのシーンではほぼほぼ描かれているそれが描かれていないということは、あの瞬間は「現実ではなかった」可能性が高いということである。

 

2つ目は、テータの持つ銃。これもまた、「楽にして差し上げます」のシーンと実際に発砲するシーンのみ、銃の色が黒になっている。それ以外のシーンでは銃の色は白なので、これもまたあのシーンが現実ではないという可能性を示唆している。

 

 

ここで、「絶」を行っている状態なのにどうして守護霊獣の能力が使えたのか疑問が残るが、その疑問に対する答えも2つほど考えられる。

 

1つ目の可能性が、守護霊獣の能力に「放出系」の要素が含まれていた場合。例えば、「律する小指の鎖」なんかはいい例なのだけれど、ああいった完全に動作がオート化されて放出された念は、「絶」を行っても消えない。「律する小指の鎖」と同じように、最初に傷をつけると同時に「王子に対して殺意を抱いていた場合、幻覚を見せて守る」という念のプログラムをつけていた可能性がある。

 

2つ目の可能性が、守護霊獣が消失していなかった場合。テータ自身が言っていたように「守護霊獣が余力を残して消える」という可能性は存在している。そして、第四皇子の内包オーラ量がテータの想定よりもはるかに上で、「絶」を行って40分程度では完全に消失していなかったという可能性もまた十分に考えられる。

 

 

以上の根拠により、私は幻覚の可能性が高いかなと思ったのだけれど、それでも何個も不可解な点がある。

 

まず、王子が移動している点。ここがすごく不可解だ。109ページを見ると、扉を挟んで左側に王子、右側にテータがいる位置関係になっている。これは、マグカップが実際に割れていることや、その際に入ってきた別の部下に王子の存在が見えていることからも、本当にこの立ち位置になっていると考えられる。

 

しかし、発砲後王子は扉の右端に移動しており、明らかに動いたことが分かる。そして、王子が自分自身が動いたことに疑問を持っていないので、自分の意思で動いたと考えることが自然なのだが、それはつまり「動く理由があった=テータが自分を殺しに来たと知った」ということになる。

 

でも、そうだとするとその後の態度に違和感がある。第四皇子の性格からして自分に反逆した人間は即座に殺しそうなのに、どうして見逃したのか。もしかして自分の守護霊獣の能力に察しがついたから、なんだろうか? わからん。

 

2つ目、そもそも幻覚を見せるなんて高度な能力をたかが一回嘘をついただけで平然と使用していいのか、という点。あまりに得られる効果に対して制約と誓約が軽すぎないか、と思ってしまう。

 

3つ目は、王子がセンリツの演奏に対して「時間が飛んだ?」と疑問に思っている点。そもそも、センリツの音楽を聴いたのだとしたら王子が自分から言い出すんじゃないか? ということは、あの放送が流れている間、王子は部屋に存在していなかったのではないか? 

 

つまり、幻覚ではなくもっと別の能力である可能性が考えられる。だが、それがいったいどんな能力なのか皆目見当もつかない。でも実際に死亡していて、第二王子の能力のように生き返ったのだとしたら脳漿は飛び散ったままだろうし、何より能力が被るから違うと思うんだよなあ。そこで考えられるのが私には幻覚しかなかった。

 

 

いずれにせよ、どんな能力であれ、第四皇子は「自分が騙されることを嫌う」人物である以上は、もしかしたら正々堂々真っ向から戦闘を挑めば今回の能力は発動しない可能性がある。あるいは他に誰かがいて、何らかの能力を使用して守ったのかもしれないが、それに関してはもう考えても仕方ないので排除する。

 

 

しかし今後、今度は男のハンターさんが王子に念を教える役目になる模様。うん、たぶん男が死んでテータちゃんの心が折れることになるんだろうな……。かなしいことだ。