HUNTER×HUNTER383話、数字の文節を拾えってそういうことか! 富樫先生のミスリードが華麗すぎる(週刊少年ジャンプ感想/2018年45号②)
HUNTER×HUNTER
チ、チクショウ!! 富樫先生のミスリードがあまりにも綺麗すぎる。
私は! 完全に富樫先生の掌の上で躍らされていたというのか!!
本当に今週のハンターハンターは、今までの伏線とミスリードを華麗に回収していく回だった。あまりにも面白すぎた。
まず、私が散々気になっていたサレサレ王子の「晩餐会で世界を変える」発言。ずっと何か物語に影響を及ぼすだろうと思い続けていたら……
「今日のライヴで世界を変える」
!? は!?
あまりにもくだらなすぎて、でもサレサレ王子のキャラクターを冷静に考えればあの発言の内容はくだらない事になるはずで、思わずチクショウと紙面を叩いた。ヤラれた!
あの発言単体じゃなく、発言したキャラクターまで含めて考えるべきだったんだ。サレサレ王子というキャラクターはさんざん描写されていたのに、それができなかった私が愚かだったんだ。本当に悔しい。
そしてそのまま怒涛の展開。センリツの能力の凄まじさにまず衝撃を受けながらも、そのままキーニが二人を案内する展開に。
!?!?
キーニさん、あなたは先週この作戦からおりたはずでは!?
と混乱する私をよそに、先週の台詞のないコマの秘密が明かされる。まさかあのシーンはキーニが作戦から降りるシーンではなく、自分の身を犠牲に二人を逃がす覚悟を示すシーンだったとは。
確かにそのどちらでもセンリツの「それでもやるしかない……!」という心理描写は成立する。これもまた予想外してて大変悔しい。
それにしてもキーニさん、あなたあまりにもカッコ良すぎるよ……。カチョウフウゲツにありがとうと言われて手を振る笑顔とか印象深すぎる。
一応、キーニが作戦から降りたと思っていた理由に関しては、過去記事を参照してほしい。サレサレが何かするはずと言い続けてるのが今だと大変恥ずかしいがな!
そして、その後の「最初に数字を言うのはハンターの符丁。数字の文節を拾え」という部分は、最初わからなかったけど数回読み返した末に理解できた。これは衝撃だった。
ミザイストムからの伝達を、文ごとに文節で分け、1*3*4*4の文節を拾っていくと「カチョウフウゲツ両王子の逃走を全力でサポートしろ」になるのね! なるほどね!!
これですべての謎がとけるんだよなあ。何故あの時、伝言を伝えたあとに「復唱が必要か?」と訪ねたのかも合理的に説明ができるようになる。伝達を聞きながら文節を拾うという処理をしなければいけないから、本当に聞き取れたかの確認が必要になるんだ。だからあの台詞が挿入されていた。本当に大きな意味のあるセリフだったのだ。
それだけじゃなく、これを予想するヒントは作中にずっと書かれていた。電話は他の王子に聞かれる可能性があると作中でくり返し言われていたから、ハンター側としてはこうするしか無かったのだ。
このミスリードの凄いところは、キャラクターが合理的に動いた結果としてミスリードになってる事。サレサレ王子も、彼の性格を含めて合理的に発言を解釈するとそうなるし、ハンター側も状況を合理的に考えれば今回の行動を取るしかないのだ。そこがあまりにうまくて感動した。凄かった。
そして、ちゃんと後から見返すとヒントが作中にしっかりと設置されているのも凄い。だからこそ、掌の上で踊らされていたことに気がついて滅茶苦茶悔しいんだよなあ。
そして、このミスリードや伏線の回収が終わり、話のラストでカチョウが死ぬ展開に。これ、船の外に出たら船内に無理やり戻されるのでは無く死ぬのね。もしこれが守護霊獣の影響だとしたら、彼らは継承戦から離脱させないけど守るという立ち位置のはずだし、死ぬことはないはず。つまりこれは儀式そのものによるペナルティなんだろう。逃げ出すものに王たる素質なしと言うことなのだろうか。
でも、あの死体って回収して謎の装置に入れる必要があるはずなんだよなあ。一体どうするんだろう? 自動転送?
あ、あと、やっぱりカチョウの方が能力的に愛が重いなと思いました。守護霊獣が姿を見せなかったことはそういう理由だったのね。すごく納得。そして、カチョウ、死んでしまったけれど君はとてもかわいい女の子だったよ……。残念でならない……。
とまあこんな感じで今週のハンターハンターの感想を書いたのだけれど、ちょっとあまりに今週のハンターが面白くて変なテンションになってしまった。やっぱり継承戦編面白いから皆読もうな!