雨夏ユカリの趣味ノート

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僕たちは勉強ができない110話、あしゅみー先輩ルート完結。彼女が前を向けるようになって本当に良かった(週刊少年ジャンプ感想/2019年24号)

 

先々週、唐突に先輩をお姫様抱っこでベッドに寝かせるという達人技をやってのけた成幸君ですが、その目的は「あしゅみー先輩の夢の原点を見つけること」だったんですね。

 

まさかお母様のあのセリフがヒントになっているとは思わなかったよ……。流石のあしゅみー先輩も「何急にわけわかんねー事」ってなりますよ。読者もそう思ってました。

 

でも状況が呑み込めずにドキドキし続けてるあしゅみー先輩はやたら可愛いかったですね。

 

そして、そこからの成幸君カウンセリングはすごく良かったですね。

 

いきなりお母様の話をするのでもなく、診療所がなくなっても未来があるという話をするのでもなく、まずあしゅみー先輩の原点をきちんと再認識させたのが特によかったなと思いました。流石成幸君。彼のこういう丁寧さはすごく好感が持てます。

 

そして、あしゅみー先輩の「診療所を継ぎたい」という気持ちの影に隠れた「患者さんのための医者になる」という本当の原点をしっかりと認識させたのは流石。

 

そのうえで、「診療所」という場所から離れつつも「心」を受け継いでいるお母様の話や、あしゅみー先輩自身がしっかりと人々を笑顔にしていることを伝えるというのは本当に良かったです。

 

これらの説得は、ちゃんとした説得力を持って「夢は終わらない」ということをあしゅみー先輩に伝えてましたね。あまりにも的確な説得。本当に流石は我らが主人公の成幸君。

 

本当にずっと悲痛な状況だったあしゅみー先輩がしっかりと前を向き、けじめをつけるように「診療所閉院」の張り紙を張ることができるようになって本当に良かったです。

 

診療所が終わってしまうことに「寂しさ」を感じつつ、それをちゃんと言葉に出しながら前を向いて歩けるようになった彼女からは成長を感じますね。本当に良かった。

 

そしてまた、それと同時に成幸君とあしゅみー先輩の関係にも変化が。ついにあしゅみー先輩のからかいは次の段階に。今までは「言葉」だけでしたが、今度は本当にキスをするというパワーアップぶり。これからはより進化した二人の掛け合いが見れそうですごく楽しみです。

 

……ところで、キスマークに成幸君が気付かずに予備校に行ったらまた一波乱ありそうだなって思ったんですけど、どうなるんでしょうね?

 

 

後、今回のあしゅみー先輩個別ルートで地味に良かったなと思うのがお父様とお母様ですね。

 

あしゅみー先輩のお父様、すごく成幸君に似てるんですよね。自分よりも他人を大切にするところとかが特に。だからこそ、やっぱり成幸君のことが好きな私はお父様のことも好きになったんでしょう。

 

あしゅみー先輩が成幸君に惹かれたのも、もしかしたらずっと背中を追っていたお父様の姿を成幸君に見たからなのかな、とか思いました。まあそんな描写はないんで妄想でしかないですが。

 

そして何より、お父様とお母様の関係性がすごく良かった。お互い離れつつも根っこの部分でつながっている関係というのがとても巧みに描かれていた感じがします。

 

あの二人、見た目はどう見ても親子にしか見えないし、一緒に暮らしてもいない。それにもかかわらず、今回成幸君とあしゅみー先輩が話しているところを陰ながら二人そろって見守っていたり、お互いに同じ信念をもっていたりと、しっかりとした繋がりがある。

 

文乃の超絶不器用お父様と言い、今回のあしゅみー先輩の両親と言い、ヒロインとその家族のお話が描かれていくのもぼく勉の魅力の一つだと改めて思いました。親の皆さん本当にキャラがキレッキレに立っててすごく良いです。

 

あとちょっと思ったのが、今回こうやって「離れながらも繋がっている」関係性が肯定的に描かれていたことで、うるかルートになった場合のうるかと成幸の関係は、あしゅみー先輩の父母みたいな関係になるのかなと思いました

 

うるかは海外に留学して成幸と離れ離れになりますし、水泳で活躍するなら一緒にいられる時間も少ないでしょう。そんな中で、お互いにお互いの存在を心にとどめながら別々の場所で戦い続けるという終わり方も、肯定的に描かれそうだなと思いました。

 

 

ところで、来週の予告が「桐須先生の新居探しに成幸も同行するが……?」ってなってて、もはややっていることが完全に新婚なんですけどいつのまに先生ルート確定したんですか???