雨夏ユカリの趣味ノート

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呪術廻戦56話感想・受胎九相図さんは喋れるだけで随分と不気味さが消えてしまうな(週刊少年ジャンプ感想/2019年21号)

 

呪術廻戦、平成最後の巻頭カラーおめでとうございます!

 

呪術廻戦

 

先週のビニール紐はやはり飛ぶためのものだったのか……。虎杖以外にはできない恐ろしい調査方法だ……。

 

しかし、「川や境界を跨ぐ彼岸へ渡る行為は呪術的に大きな意味を持つ」とかが出てくると一気に漫画の雰囲気が変わりますね

 

まるでオカルトゲームみたいな雰囲気。オカルト的事件の被害者がいて、その被害者周辺に聞き込みをすることで徐々に真相が明らかになっていく……といった過程もあって完全にその手のゲームみたいな雰囲気だ。それこそまんまゲームに使えそう。

 

こうやってちゃんと「呪いのオカルト的側面」が描かれるのは、それこそ一話以来なのではって感じなので逆に新鮮ですね。主人公陣営が「オカルトに対処できる力」を持っている場合のホラーって感じですごく良かったです

 

 

あと、私は呪術廻戦の魅力の一つに「登場人物が持っている世界観に関する知識を読者に違和感なく表現している」というのがあると思っていて、そういう意味で良い回だったな、と。

 

例えば今回、伏黒くんが当然のように「内側から術式が発動するタイプなら守っていても意味がない」と思考してますけど、これらの情報を読者は知らないわけじゃないですか。こういった新しい情報を、登場人物の思考・ちょっとしたセリフ・行動で表現するのがやたらめったら巧いんですよね。

 

世界観の説明って、他の漫画だとどうしても違和感があったり説明になったりしてしまうところが、呪術廻戦だとすごくすんなりと読めてしまう。キャラクターが「その世界に生きる人物」として違和感がない行動をしつつ世界観を魅せていく。そういうのがめちゃくちゃ巧い漫画なので、これからもちょくちょくこういう場面があると嬉しいです。いやまあ多分あると思いますけど。

 

 

そして最後に、今回なんだかんだで一番ツボったのが呪胎九相図さん。

 

先週の引きや、今週のカラーページであれだけ不気味な雰囲気を醸し出していたというのに、いざ虎杖たちの前に現れてみたら「なんだぁ?」を連呼する変な生命体みたいになってるのが面白かったです。

 

1ページで同じセリフが連続するとやたらと目につきますね。ずっと「なんだぁ?」って言ってるように見えてしまう。果たしてこれが芥見先生の狙いなのかはわからないですけど、ちょっとツボってしまった。おまえ喋れるのか

 

いやまあ特級だし、話せるのはなにもおかしくないんですよ。でも何故かめちゃくちゃ違和感あるので、なんでだろうと考えてみたんですよ。

 

そうしたら、今まで出てきた「コミュニケーションをとれる呪霊」って、全員シルエットが人間に近かったんですよね。多分特級呪霊たちって結構シルエットが人間に近くて(知性を持つほど人型に近づくのかも)、見た目だけで言うなら受胎九相図は一級呪霊とかのほうが近い感じなんですよね。

 

だから私は受胎九相図の見た目から、頭の中で彼(?)を一級呪霊と同じカテゴライズに入れてたんですよ。そうしたら、そんな奴が唐突に喋りだすし、「なんだぁ?」とか連呼してるし、「遊んでくれるのか?」とかちょっと嬉しそうに言うしでやたらめったら違和感強かったんですよね。いや、本当に話せるってだけで一気に不気味さが消え去ってしまったよ……。変な生命体にしか見えない。

 

もしかしたら、こいつがこの見た目なのは宿主に呪術の才能がなかったせいであんまりスペックを発揮できていないから、とかかもしれないですけど。そうだったらごめんね……。

 

 

まあでも、こいつが来たってことは今回のことも夏油グループが関わってるんでしょうね。被害者が橋に来たのが結構昔なのに動き出したのが今更っていうのもすごく違和感ありますし。津美紀さんが関わってるということは伏黒あたりが狙いなんですかね?