約束のネバーランド112話・結局最後までアンドリューさんは残念な人だった(週刊少年ジャンプ感想/2018年51号③)
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- 約束のネバーランド
- Dr,Stone
- アクタージュ
約束のネバーランド
最初から最後までやっぱり残念だったなアンドリューさん。
「は? 何が起きた?」じゃねーよ。そりゃ撃たれるだろうさ。あれだけ人数いたら誰かしら「人間を撃てる」子供がいる可能性くらい考えておけよ……。
なんかもうここまで来たら、実はユーゴとルーカスが起こした爆発によって脳の一部が吹き飛んでいて、その結果冷静な判断ができなくなっていたんじゃないかと思えて来た。
さすがにそうじゃないとあまりに不合理がすぎる。
手負いで、さらに人数で負けている状況で堂々と姿を現し、「撃ってくれ」と言わんばかりの挑発をして撃たれたら混乱するとかもはや存在がギャグでしかない……。
そのうえで、最後は鬼に食われて死亡とか、本当にこいつの存在意義は何だったんだって感じ。
この「最後は鬼に食われて死亡」っていう展開は、あまりに「子供たちの手を汚させない」世界の都合を感じて微妙だった。
レイが「背負う覚悟」をする展開は良かったけれど、覚悟だけして実際に手を下さないのは違うよなあ。
ここで手を汚して、その罪の重さに苦悩する展開のほうが明らかに「この世界の残酷さ」を表せるし良いと思うんだけどなあ。
なのにここであっさりと鬼によって殺させるのは、レイの覚悟が安っぽくなってしまうし本当にマイナスでしかない。
エマに至っては結局何もできなかったし、正直「今回の展開必要だったか?」と思えてならんぞ。
監視フクロウの件は「なるほど」と思ったけど、この世界の文明レベルすごく謎だな。
明かに現代の文明レベルを超えているもの(今回のフクロウ)が存在している反面、アンドリューさんたちが使っていた無線機は明らかに旧時代感あふれるものだったし。
ここら辺もしかしたら何か明かされていたのかもしれないけれどまったく思い出せん。困った。
Dr.Stone
ここで「大航海時代」はもうすっごいワクワクする展開だと言わざるを得ない。
そうか、石化光線の発生源って地球の反対側だったのか。それすっかり忘れてた。それで石化光線の謎を解くために世界の裏側へと冒険する必要があるというのは納得。
多分船は作れるだろうけど、数千年もたってるってことは大陸だって移動してるだろうし生態系だって変化しているだろうし、本当に「未知の世界」なんだよな。
そこに科学で挑むっていう展開は熱い。この話を巻頭カラーでやるのは流石としか言いようがない。
あとは、千空の「無駄な話はダメなのか」ってセリフがすごい良かった。
普段全く無駄な話をしない千空が無駄話をするっていうの、別れの演出としてすごくグッとくる。
それだけ堪えたんだなってのが伝わってくる。彼のキャラクターらしい別れの演出だった。
アクタージュ
「僕の本当の不幸は、今ここにいる自分を後悔していないことだ」ってセリフ、すごくグッとくる。
このセリフはたぶん、アキラが完全に「自分と天才の間にある断絶」を受け入れたってことなんだろう。
千代子は阿良耶と夜凪が演じているのをみて、「どうしてあそこに立っているのが私じゃないんだろう」と後悔した。
だが、アキラくんは今回「後悔していない自分」がいることを知ってしまった。
この二人の対比がすごく印象深い。
今までのアキラは、「天才との間に壁がある」と考えつつも、それでも「天才」と同じ領域に立とうとしてきた。
それが巌さんの言う「かっこつけた芝居」だったし、アキラ君の言う「阿良耶さんのような芝居がしたい」だったのだろう。
だけど、天才と同じ領域に立とうとしながらも、無意識では「自分と天才の間にある断絶」を自覚していた。そして自覚しつつも、それに見ないふりをし続けてきた。
だから「私は本物になれない」といった人の言葉が胸に刺さりつつ、「今更諦められるか」とさらに努力を重ねていたのだろう。
しかし、今回の舞台を見ながら彼は「天才との間にある断絶」に目を向けて、「天才と同じ領域に立てない」ことを「本当の不幸」としつつも受け入れた。
これは成長と言えるんだろうけど、あまりに悲しい成長だなと思ってしまう。現実ってつらい……。
でもこれで、ようやくアキラくんが「かっこつけた芝居」を抜け出して「本当の自分を愛せるようになる」一歩を踏み出したんだよな。
後は来週どう展開するか。さすがにこれだけフラグ立てておいて殻を破れないってことはないはず、だと信じたい。頑張れアキラくん。