雨夏ユカリの趣味ノート

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僕たちは勉強ができない83話、文乃は友人の気持ちが分かるが故に茨のヒロイン道を歩みそう(週刊少年ジャンプ感想/2018年46号)

僕たちは勉強ができない

 

センターカラー部分、やっぱりヒロインたちが仲いいのは良いなあと思った。ところであしゅみー先輩の見栄はりかわいい。

 

 

本編は今週やたらと面白かった。やっぱり私は文乃が一番好きなんだろうな。

 

私は基本的にラブコメとかだと「不幸枠」とか「可哀想な枠」とかそういう枠にいるキャラクターに無性に惹かれてしまうのだけれど、文乃からはやっぱりその匂いを感じる。

 

文乃ってメインヒロイン三人勢の中で、一人だけちょっと浮いた立ち位置なんだよなあ。成幸に惹かれつつあるけれど、好きという感情にまでは至っていないし。

 

そして、ほかの二人は基本的に自分の気持ちに正直に生きているのだけれど、文乃は自分の気持ちを縛りながら生きている。「人の気持ちがわかる」っていう設定だし、それ故に周りの友人たちの気持ちが見えてしまっているがゆえに、まず友人たちの気持ちを大事にしようとしている。それがよくわかる一話だった。

 

本当に初期は「人の気持ちがわかる(笑)」とか言われていたというのに……筒井先生の見事な手腕には流石としか言いようがない。

 

 

いやでも本当に良いなあ。今週の文乃は輝いていた。

 

うるかに彼氏がいるかどうかに対して「唯我君はどうあってほしいのかな」って聞いて、成幸が自分の気持ちを半分隠した「そうあるべき」な答えを返したときに、「それだけ?」って聞いてちゃんと気持ちまで答えさせられる文乃はすごい。

 

そのうえで、「唯我君はうるかちゃんのこと本当に大切に思ってるんだねー」って、ちょっとからかいを入れながら聞いたときに、「当たり前だろ」って即答されて驚きつつちょっとうらやましく思う文乃はすごくかわいい。

 

さらに、そこからうるかに励ましのラインを送るときに「あんまり避けてると別の誰かが……」って送りかけることで若干心の奥底をのぞかせたのちに、すれ違っている二人を何とかするべく成幸に真実を叩きつけに行く文乃とかもう素晴らしい。

 

うるかに好きな人がいるのは嘘だと叩きつけた後の表情が、成幸に対する「こっちは真剣にやってるんだから、君も真剣に考えて」という表情なのか、あるいは成幸に惹かれつつある自分に対しての「これが私の覚悟だ」という表情なのか、それともどっちもなのかはわからなかったのだけれど、すごくいい表情をしていた。

 

 

文乃にはそのうち、成幸への気持ちが発芽する機会が来ると思う。でも、その時になったら絶対彼女が苦しむのが目に見えている。「二人の気持ちを裏切るのか」「たとえ裏切るにしてもフェアに戦わなきゃ」。そういった気持に縛られて、苦しんで、自分の気持ちに正直に生きていけなくなる姿が目に浮かぶ。

 

その未来を想像すると、やはりどうしても文乃を愛おしく思わずにはいられない。

 

その予兆を感じさせる一話として今回の話はこの上ない出来だったし、本当に面白かった。