雨夏ユカリの趣味ノート

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僕たちは勉強ができない85話・文乃と成幸がまさかの同棲!? 文乃が気持ちを自覚できないのは父親の影響なのかなと思ったり(週刊少年ジャンプ感想/2018年48号②)

僕たちは勉強ができない

 

文乃回! 文乃回だ!!

 

今まで存在がほのめかされていた文乃の父親がついに登場。

 

まさかあの時の数学教授だったとは。確かにほかの教授に比べて割かれている描写が多かったし、なるほどあの話は今回のための布石でもあったんだなあ。

 

 

それにしても、文乃の今週の表情はすごく良かったなあ。

 

誰もいない家で、かすかな期待を胸に三者面談のプリントを置くところとか。

 

結局来てくれなくて、愁いを帯びた表情になって面談会場から出てくるところとか。

 

父親の顔色を伺いながらもちょっと嬉しそうに「三者面談のプリント……見てくれたんだ」と言うところとか。

 

面談に来てくれたのかもしれないという希望を即座に否定されて目が死ぬところとか。

 

あと、最後のめっちゃ照れてるところとか。

 

ずっと愁いや絶望、怒りで構成されていた文乃の表情が、最後の成幸の一言で全部吹っ飛んでるのがすごく良い。よくやったぞ成幸、文乃のマイナスの感情はその発言の衝撃ですべて吹き飛んだ。さすがは主人公。

 

 

しかし、それはそれとして彼が文乃の父親なのは色々と納得できる感じだった。

 

結構妄想がはかどる父親だよなあ。

 

文乃が人の気持ちに敏感なのは、父親の顔色を伺って生きてきたからじゃないか、とか。

 

あと、文乃が自分の中の「成幸への気持ち」に無自覚なのは、この父親に「やりたいこと」を否定され続けていたからじゃないか、とか。

 

文乃にとっての「やりたいこと」は自分の根幹をなすものだ。だからこそ、それを父親という大切な存在に否定され続けてきてしまったことで、彼女の中に「自分の本心は否定されるもの」という思考が芽生えてしまっていても何ら不思議ではない。しかも学校にきても真冬先生に否定され続けてきたしね。

 

だからこそ、彼女は「成幸への隠れた自分の気持ち」に気づきたくないのではないだろうか。もし気づいていしまったら、それを言葉にしてしまったら、また誰かに否定されてしまう。「自分の本当の気持ちは、いつだって否定されてしまう」、そういう恐れが彼女の中にあるんじゃないだろうか。だからこそ、「父親と不仲である」という自分の根幹をなす悩みは誰にも言えなかったんだろうし。

 

こういった理由もあって、いつまでたっても自分の中の気持ちを自覚できないんじゃないかなと思った。

 

 

でも逆に、父親に自分の夢が認められるような展開になったら。彼女が「自分の本心はちゃんと肯定される」と思うようになったら。その時に彼女は安心して「成幸への気持ち」を自覚することができるようになるんじゃなかろうか。

 

今回のエピソードは、父親と文乃のエピソードであると同時に、文乃と成幸への気持ちのエピソードでもあるんじゃなかろうかと思った。

 

そんな状況での同棲展開となれば、もうこれは何かが起こるとしか思えない。そもそも、隠されてた文乃の心に触れた成幸君が何もしないとかありえない。そして、そのまま距離が縮まらないわけがない。

 

来週は一つ屋根の下あるある展開に加えて、絶対文乃と成幸の心理的距離が縮まる展開になるだろうなあ。

 

現状、恋愛面で一番強いのはうるかだろうけど、精神面で一番近いのは文乃だと思っているので、そこら辺の強みをさらに強化してもらいたいところ。